(その1は
コチラ)
夜半を過ぎた頃からにわかに風が強くなってきた。
シャングリラ1はペグ+石で固定したから、よほどの強風で無い限り
飛ばされる心配はしていなかったが、フロアレスである故に隙間風が身体に堪える。
「さ、寒い・・・」
寝具はナンガ:ナノバック300DXにハイカーズデポ:トップキルトを重ねたもの。
それにダウンインナーJKT+パンツ、象足、ウールグローブにバラクラバと
完全装備で固めていたにもかかわらず、だ。
スペック的には十分以上の装備だったが、体感温度は人によって違うもの。
それに風が直に身体へ当たることの影響を、イヤというほど思い知った一晩だった。
雨具のJKTを上半身にかけ、寝袋内で丸まって何とか耐えることが出来た。
1~2時間で強風は止み、うつらうつらしながらも3時20分には起床となった。
夜明け前の気温はシェルター内で-7℃、外気温は-8℃とこの時期にしては暖かいほう。
冷えた身体を暖めたくて、湯を沸かして粉末ミルクティーをすする。
トランギアの青白い炎を見ていると、心が和んできます。
一晩経った幕の状態をチェック。
強風にさらされた割にはまずまずの張り具合といえようか。
夜明け前の暗いうちから歩き出す。
歩き始めはさすがに寒かったのでダウンJKTを着たまま。
ヘッドランプの灯りを頼りに、雲取山頂経由で石尾根に向かいます。
時間は5:45、まだ誰もいない雲取山頂は風も無く穏やかな様相。
山頂避難小屋を横目に歩き出す。
山頂で夜明けを待ってもよかったのだが、この日は歩きながら夜明けを迎えたかった。
「歩いてこそのハイカーである」、そんな思いがあったのかもしれない。
・・・夜明けまでじっと待っているのが寒かっただけなのだが。。
小雲取を過ぎた辺りで夜明けを迎えると、木々の間からの陽射しが優しくて暖かい。
この写真を撮った直後、崖下で「ガサガサッ」という物音がした。
「すわ、山中忍びかっ!」読んでいる小説の影響でそんなことを思い浮かべるが、
実際は4頭の鹿がすぐ下の斜面を走り去っていく物音だった。
1~2頭の鹿は何度も見たことはあるが、4頭まとめて走っていく姿を見たのはこれが初めて。
奥多摩小屋前のベンチで休憩し朝食を摂る。
ケロッグのフルーツグラノーラにM&M'Sチョコを混ぜたもの。
フルーツグラノーラはケロッグのが一番好みに合っているなぁ。
奥多摩小屋テント場にはシェルター泊の方も。
霞の向こうに顔を出した富士山を横目に見ながら、ブナ坂に到着。
ここまですれ違うハイカーは殆どおらず、石尾根にしては珍しく静かな下山だった。
ブナ坂を過ぎてしまえば雪はなくなるので、歩みを速めて鴨沢バス停を目指します。
無事の下山を記念しての自分撮り。
スタートから4時間40分で小袖乗越に到着、膝に爆弾を抱えるワタクシにしては早い下山かも。
鴨沢バス停に帰還、時間は10:25。
次のバスまで30分程度待つ間、残りのフルーツグラノーラと水を流し込む。
奥多摩駅前の「こうらく」で肉天定食とおビアのランチを楽しむという選択肢もあったが、
肉天は次回の楽しみにとっておくことにして、さっさと帰宅することにしましたとさ。
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雲取山荘5:20~雲取山頂5:45~奥多摩小屋6:30・6:50~ブナ坂7:10~
七ツ石小屋7:40~堂所8:30~小袖乗越10:00~鴨沢バス停10:25
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